趣味という名のロングテール

 ずっと昔はどんな人でも スポーツマンであると同時に芸術家であり同時に学者であったのだと思う。
 産業が興り情報化と高度な分業が達成されたことで、先進国のほとんどの人は(少なくとも職業としては)人生の大部分を特定の領域の知識のinputoutputに捧げるようになってしまった。これは極めて異常なことだ。
 SNSで参加者の方々のprofileを見てるとほんとに面白いなと思う。誰一人として趣味関心のラインアップが一致している人はいない。誰もがoriginality溢れる知的活動を行っているわけだ。仕事としてoutputされるものよりずっと多いが、それぞれは仕事にはならない断片としてpreciousなknowledgeを皆がもっている。
 でもおそらくほとんどの人は”仕事に追われて”興味関心の多くを追求しきれていない(勿論僕も)と思うととても残念だ。勿論社会の中で仕事を得るということはprofessionalとしての誇りや規範を伴う素晴らしいことではある。だが、今の日本(とりわけ東京)はあまりにもバランスが悪すぎる。 勿論そうやって多くの人が没個性に耐えることで(ある側面から見れば)高い生産性が保たれている。
 だが、皆の仕事以外の興味関心や能力がもっと目に見える形で社会に実現されれば、想像を超える力になると考えている。会社の中で仕事のoutput以外で考えたこと、帰宅後あるいは週末考えたこと、それらの揮発していくideaを実現することこそが究極のロングテールだと僕は思っている。
 

ハイコンセプト(2)

 2部2章より
”もし物語が浮かんだらそれを大切にしなさい。そして必要とされる場所で与えることを学びなさい。人は生きるために食料よりも物語を必要とすることもあるのです。”

 情報と物語は違う。
 自分のこれまでを振り返って、自分に影響を与えた言葉は決して情報ではなく、語り手・場所・雰囲気とともに物語として記憶されている。
 もしかするとそれはあの飲み屋で聞いた友人のさりげない一言かもしれない。 
 でもそれはpricelessの価値をもっていることはいうまでもない。

 物語を語りえる人間を目指そう、それはこれまでと変わりない。
 web2.0で状況が変わりつつあるのは、物語を語り得ればそれがすぐビジネスにできるような技術環境にあるということだ。お金儲けの話ではない。いい人間であること、それがいいビジネスマンであることと近づいてきている。自分らしさや自分の時間を大切にすることが、すなわち高く評価されるビジネスマンであることになる。仕事人間は過去のものとなる。

ハイコンセプト(1)

 新刊を読書中。
 『ハイコンセプト 新しいことを考え出す人の時代』大前建一氏 訳 三笠書房

 web2.0という言葉に新しい時代の到来をひしひしと感じられている読者の方は、タイトルで内容はピンとくるのではないでしょうか。

 2章 より
 ”十分な収入の得られるあなたの会計士家業が月収35,000円のインド人会計士に奪われないとしても、会計ソフト「ターボタックス」に奪われてしまうことだろう。”
 ”弁護士に支払う費用は一時間2万円だがwebsiteでは基本的な法令書式やその他の書類などの作成であればわずか1700円でできる。”
 ”患者がコンピュータ画面の問いに答えていくだけで、医師がいなくても予備診断を下せるというソフトウェアやオンラインプログラムが登場してきたのである。”

 20年あまり掛けて築いてきた左脳優位社会における特権的知識にすがって生きられなくなる前に、自分も身の振りを考えないといけないなと危機感を覚える今日この頃です。  
 ずいぶん投資して今の職業についているわけですがほんと時代の動きが速いです。

 bloggerとして表現力を磨きまくってる方々には、きっと胸のすく思いのする良書です。

bloggerの知的体力

 毎日日記をつけると自分のその日一日の成長が(恥ずかしながら)よくわかる。
 自分が学ぶことの多かった日は自ずと文章がすらすら浮かんでくる。そうでない日は、netや本で学んで頭を使う時間を補う。
 毎日自分で書くようになってわかったのは、毎日中身の濃い日記を続けられるbloggerの方々の知的体力ははんぱないということ。output力というよりも、inputがすごい。さらにいうとinputの持続力がすごい。僕がおもしろいと思うblogの筆者の多くは、毎日とても多くの人に会っている。人とcommunicateすることで1st handの情報を得てinspirationが生まれ、知的生産の好循環に入っているように見える。
 リアルの世界とwebの世界両方で自らの知的生産力を高めることのできる場を確保することが、web2.0の世界での基本的なあり方だと思う。

Web経済が可能にする住の自由

 webの世界は時間と物理的距離という障壁を取り除くことに最大の特徴があると思う。それによって今既にたくさんのことが可能になったが、それによって本来実現されるはずの”住の自由”が道半ばであると思う。
 webの中でサービスを提供するのが生業なら、世界中どこに住んでも変わらないはずである。
 夏は北の国に、冬は夏の国に住む、のような自由な生き方が実現されてもいい。
 リアルの世界のいろいろな制度的障壁がそこにはあると思う、どんどん取り除かれていくことを強く望む。

会計のweb2.0化

 従来の会計の枠組は、
情報の発信者と多数の受信者
という構造が前提となっている。
 一方XBRLのような高度な表現が出てくることで
受信者も情報の二次加工者/生産者として参加する
というように関係も変化すると思われる。
 これはまさにweb2.0的な環境変化といえる。
 会計ルールも真にuser friendlyなものに変化する必要があるだろう。
 きっともっと面白くなる。

 先人達が築いてきた偉大な会計の知識体系が新しい技術と結びついて、もっともっと会計が社会に貢献できる可能性は広がってくると思う。



 一方、会計監査不祥事が相次いでいる。
 これは、(言葉は悪いけど)消防士さんが放火したり警察官が殺人したりするようなもの、つまり”問題外”の出来事。
 web2.0の理想を語りえる今、webマイナス5.0の世界が併存していることに悲しくなる。
 
 

仕事を楽しくするweb2.0的な他の方法

kokoromoさんのとても素敵なentry

「つまらない仕事を楽しくするために」
http://d.hatena.ne.jp/kokoromo/20060520/1148139415

 皆が仕事をどうすれば楽しくできるか、を考えるのはとても価値のあることだと思います。

 もう一つ、
”やりたい仕事をやる。そうでない仕事は、それをやりたい人にやってもらう”
というルールはどうでしょうか。
 仕事はリストアップして社内のオンライン共有スペースに置いておく。
 やりたい人から順に取っていく。各人がこなさなければいけない量を決めておけば、皆先を争って仕事を選び取るでしょう。残った仕事は、それをこなした人への対価を厚くして何とか誰かに引き受けてもらう。
 経営学/経済学の中では資源の最適配分という概念があります。労働力は会社にとって資源ですから、個々のメンバーに適した仕事を与えることでモチベーションを高めればそれは労働力資源の最適配分にもなります。